コンセプトという言葉を耳にしたことはありますか?
イベントをする際や何かの商品を開発する際にも、「コンセプトはどうします?」みたいな表現で使われたりします。
しかし、本当の意味でコンセプトの重要性を理解している人はなかなかおらず、非常にもったいないと感じてます。
今回は、コンセプト作りの重要性を解説し、ぜひ会社内でもコンセプトを基にした商品づくり、企業経営をおこなっていただきたいと思います。
コンセプトとは?
まず、コンセプトという言葉についてですが、概念や考え、といった意味合いで使われています。
しかし、それをビジネスでどう活かすかまでは理解できていませんよね。
コンセプトは、商品や事業の特徴を表す売り文句だと思ってください。
つまり、
○Who(誰に)
○What(何を)
○evidence(根拠)
が明確になっている状態です。
では、どんな場面でコンセプトが必要になるか?以下にまとめます。
・事業を作る
・商品を作る
・企画する
・イベントをおこなう
・店舗設計する
・サービスを作る
などなど、それぞれに「コンセプト」が必要になる場面です。
コンセプト例
では、世の中にはどんなコンセプトで企業経営をしているのか?例に出してみてみましょう。
●俺のイタリアン
「一流のイタリアンを低価格で楽しみたい」人が、本格的だけど安いイタリアンが食べられる
食材の原価率や席の回転率を工夫することで、これまで常識だった高級レストランの常識を覆す見事なコンセプト。イタリアンだけでなく、フレンチや割烹など様々な事業体でも成功しています。
●スターバックスコーヒー
「家や職場で演じ疲れている」人が、家でも職場でもない第三の場所として、時間を忘れてゆっくり過ごす(サードプレイス)
今の世知辛い世の中にはぴったりなコンセプトですね。また、スターバックスはフランチャイズではなく直営で運営している理由もあり、「ゆっくり過ごす」というコンセプトをしっかりと守らせるためだそうです。
フランチャイズで運営してしまうと、利益をあげたいために回転率が気になりますよね?そうするとコンセプトを守れなくなります。
これを見据え、コストや時間はかかるけど、直営で展開してきた、とのことです。
長期的な競争戦略を見据えての一貫した取り組み、すばらしいです。
●ウィダーinゼリー
「朝食を食べる時間がない」人が、10秒でしっかり食べることができる(10秒チャージ、2時間キープ)
朝ごはんを食べないサラリーマンは多いと思いますが、例外なく私もその1人です。
人それぞれ食べない理由はあると思いますが、一番はギリギリまで寝ていたいというものではないでしょうか。
朝ごはんは食べたいけどギリギリまで寝ていたいというニーズを叶える商品として、ウィダーinゼリーはぴったりハマったというわけですね。
●アスクル
「人手が足りず事務用品を買いにいく手間を省きたい」小規模事業者の人が、買いにいかずに早く届けることを実現する(アスクル =明日くるを実現)
これは、小規模事業者の総務課の女性を深く創造し、このコンセプトに至ったそうです。
細かな備品購入を頼まれたり、時には印刷紙など重いものも購入しなければならない。
毎回買いに行く手間もかかりますし、かと言って持ってきてくれるのは大きな会社向けのサービスばかり。
そんな小規模事業者向けにアスクルはサービスを展開し始めたそうです。
コンセプトは会社経営そのもの
コンセプトを単なるイベントとして捉えるのは大間違いです。
コンセプトは、会社が長く生き残るために必要なブレない軸のようなものです。
今でこそAmazonは世界的大企業になりましたが、20年前にはまだその名前すら知らない人ばかりでしたよね。
Amazon創業者のジェフベゾス氏は、一枚の紙ナプキンにAmazonのビジネスモデルはこれだ、と書き表したことが有名ですが、そのビジネスモデルは当時の株主からすると理解できないものでした。
株主は利益の追求を一番に考えていますが、ジェフベゾス氏はカスタマーファースト(お客様が一番喜ぶこと)を考え、そのことを踏まえた投資を繰り返していました。
その結果、お客様にとって圧倒的に喜ばれるインターネットを通じたサービスが出来上がったのです。
赤字が続いて誰もが潰れるぞと思っていたそうですが、ジェフベゾス氏にはしっかりと未来が見えていたようですね。
このように、コンセプトは会社経営、競争戦略に直結します。
一つの事業を創り上げる際にも、一つの商品を創る際にもコンセプトから考えると思いますが、会社を創業する際にも、どんな未来のためにどんなコンセプトにするか?ということを熟考しなければなりません。
もう一度繰り返しますが、コンセプトは
○Who(誰に)
○What(何を)
○evidence(根拠)
が明確になっている状態です。
コンセプトドリブンで仕事に向き合えるよう、がんばっていきましょう。