「マーケティング」という言葉は、ビジネスをしている人であれば一度は聞いたことのある用語だと思います。
でも、マーケティングを体系的に捉えようと思ってもなかなかしっくりくるものがなかったり、定義が曖昧だったり・・・結局、どういう意味なの?となってしまう場合も少なくありませんよね。
マーケティングを簡単に表現するならば、「売れる仕組みを作ること」です。セールスはモノを売ることですが、マーケティングはその前の段階の売れる仕組みを作ること、となります。
この記事では、マーケティングとは何か?という部分から、マーケティング戦略を立案するための基本的な考え方をお伝えしています!
ページコンテンツ
マーケティングの基礎
マーケティングは幅が広く、全てを学ぼうと思ったらキリがありません。
しかし、大切なポイントやフレームワークは存在しているので、マーケティングの基礎としてそれらを一通り紹介したいと思います。
まず、マーケティングの業務についてですが、マーケティングは新商品の開発と既存商品の育成の大きく2つに分けられます。
マーケティング活動は、企業活動の大部分をカバーするものとなっており、生産〜営業販売の一連の活動もマーケティングの一部なので、営業部門でも工場勤務でも、マーケティング活動の一部を担っていると言っても過言ではありません。
マーケティング戦略策定までの流れ
マーケティング担当になったは良いけど実際何からすれば良いのかわからない・・・そんなお悩みの方もいらっしゃると思います。
マーケティングの考え方は、三者三様です。
ベースの考え方はあるにせよ、人それぞれの想いや経験を反映させていることも多く、参考にするべきものさえわからなかったりします。
ここでは、基本的なマーケティング戦略策定までの流れをお伝えします!
1.環境分析をおこなう
まず、自社の環境分析をおこないます。自社の強みや弱み、また持っている資産や、顧客の特徴など、ありとあらゆる角度から分析します。
後ほど、フレームワークは紹介しますが、3C分析やPEST分析、SWOT分析などを用いて、環境分析をおこなうと良いでしょう。
2.ターゲットの設定
ターゲティングという言い方をすることが多いですが、ここではターゲットを決めます。
性別や年齢、職業だけでなく、住んでいる地域や趣味、または嗜好など、細かく設定しましょう。
ペルソナの設定とターゲティングを一緒にする人も多いですが、わかりやすくいうとペルソナはこちらが設定した架空の人物であり、ターゲットは実際に実在している不特定多数の人々、という具合です。
ペルソナに関しては別の記事で紹介したいと思います。
3.ポジショニングはどこか?
アルライズやフィリップコトラーなどのマーケティングに精通している方々が書いた本にもありますが、ポジショニングを設定することはとても重要です。
自社はどの位置で戦うのか?どのように顧客に知ってもらうのか?ポジショニングを設定するとしないでは戦い方が全く異なります。
また、企業のゴールや目指すべき姿など、ゴールを明確にするのもこのポジショニング設定に関わってきます。
4.ベネフィット
自社の商品の価値を顧客がどのように感じるか?ということをしっかり考えます。
顧客が商品を買うメリット、顧客が抱えている課題に対して解決できる商品か?
顧客がベネフィットを感じるかどうかをしっかり検討する必要があります。
5.戦略の策定
上記1〜4を踏まえ、戦略の立案をおこないます。
顧客に対しどのように提供するのかを検討します。
また、顧客視点にたち、顧客が手に取りやすいか?またその価値を享受しやすい届け方は何か?などを考えることが重要です。
ここでよく使われるフレームワークは、4p分析や4c分析と言われるものがあります。
以上がマーケティング戦略の基本的な流れになります。
まずは基本的なことを抑えて、自分流のマーケティング戦略を生み出していくと良いですね!
最後に、よく使うフレームワークを紹介します!
4P
よく使われるフレームワークの一つに、4Pというものがあります。企業活動にも関連しますが、プロダクト・プライス・プレイス・プロモーションの4つから成り立っており、製品が誕生し〜販売されるまでのそれぞれの企業活動の流れを意味しています。
・プロダクト・・・製品の中身を特定し、外見を具体的にする
・プライス・・・販売価格の設定。流通チャネルのマージンなどを組み込んだ価格体系なども具体化する
・プレイス・・・流通チャネルを決める。どのようにして顧客に商品を手渡すかという考え方となり、物流も含めて具体化する
・プロモーション・・・消費者から顧客になってもらうための情報伝達方法。コミュニケーション(自社サイト・PR・広告など)などを具体化する
簡単にいうと、何を売るために、その商品の値段を決めて、どのようなチャネルで販売するか決定し、売るための宣伝方法を検討する、ということです。
一見、当たり前のように思いますが、こう言った当たり前のことを細分化し商品を販売している企業は多くはありません。
また、プレイス(流通チャネル)が決定すると、マージンも含めた値決めが必要になるなど、他の3Pに影響を及ぼす可能性があるので、全体で考える必要があります。
STP
STPとは、
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの頭文字をとったもので、セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場の決定)、ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)からなり、マーケティング論で知られるフィリップ・コトラー氏が提唱したフレームワークです。
・セグメンテーション :市場を細分化するプロセス。地理的変数や人口動態変数、心理的変数など、セグメンテーション の切り口として存在しています。
・ターゲティング:アプローチする顧客を決定すること。ターゲティングをしなければ、誰に売りたいのかが定まらず、結果的に売れない商品を作ってしまうことになりかねません。ニーズに確実に応えるためにも、ターゲティングは重要です。
・ポジショニング:競合と自社の違いは何か?自社の特徴は?などを、顧客に伝えること。良い商品であっても、他社との違いを伝えることができなければ、購入される確率は低いです。また、それらを踏まえてどのポジションで戦うか?大枠の戦略としても重要になる考え方です。
3C分析
3C分析とは、customer(市場)、competitor(競合)、company(自社)の頭文字を取ったもので、環境分析に用います。
【市場環境・顧客】
市場環境や顧客分析で把握すべき項目の代表例
・業界の市場規模
・市場成長性
・顧客ニーズ
・顧客の消費行動・購買行動
【競合分析】
競合分析で把握すべき項目の代表例
・競合各社の現状シェア・推移
・各競合の特徴
・競合の業界ポジション
・新規参入・代替品の脅威
【自社環境】
自社分析にて把握すべき項目の代表例
・企業理念・ビジョン
・既存事業・自社製品の現状(売上、シェア、商品)
・既存ビジネスの特徴、強み、弱み
・経営資源の確認(ヒトモノカネ)
・資本力、投資能力
以上、代表的なフレームワークのご紹介でした!
まとめ
マーケティングはマーケティング戦略を含めて、それぞれ考え方が三者三様です。
もし、マーケティング担当になった場合は、まずは情報収集をおこない、その中で自分にあったマーケティングを実施していくことが良いでしょう。
日本でも有名なトップマーケッターの森岡毅さんは、「うまくいっている状態を想像して、そこから逆算して何が必要なのかを考えることがマーケティングだ」と言っています。
あくまでも、顧客が何を求めているのか、またその顧客は誰なのかなど、全ては顧客からスタートします。
ついついうまくいくと、自分の商品は素晴らしい=プロダクトアウトの発想になりがちですが、常にマーケットインの発想で考えましょう!